登山スパッツ(レインスパッツ・ゲイター)の役割と機能、おすすめの紹介

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登山スパッツ(レインスパッツ・ゲイターとも言われる)は、靴とズボンの隙間を埋める登山装備です。この登山スパッツは、山によっては全く使わないこともある補助的な装備ですが、富士登山においては、登山ルートによっては非常に重要な装備となってきます。

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登山スパッツの役割・機能

スパッツ(レインスパッツ)の役割は、

  • パンツ(ズボン)の裾が汚れることを防ぐ
  • 雨が靴の中に進入するのを防ぐ
  • 靴の中に小石が入ることを防ぐ

です。

パンツ(ズボン)の裾が汚れる・濡れることを防ぐ

登山道を歩いていると、晴天が続いた場合は砂埃で汚れ、雨が降った場合は泥はねでパンツの裾が汚れることがあるのですが、登山スパッツを装着することにより、保護することができます。

日帰り登山の場合は、パンツの裾が汚れても、下山後に着替えれば気にならないのですが、1泊以上の山小屋泊の場合はそのまま山小屋で過ごす場合は砂や泥よごれが布団や寝袋に移ることがあります。登山スパッツをつければパンツの裾が汚れることがほとんどありません。

また、富士山ではそういう場所がありませんが、丈の低い草木の朝露でパンツの裾が濡れることを予防することができます。

雨が靴の中に進入するのを防ぐ

登山道の傾斜が強い場所は、ひざを大きく屈曲させることになるため、レインパンツの裾が防水性のある登山靴の上を超えてしまうことがあります。

登山スパッツ・ゲイター

(2010/07/14 大雨の北岳登山での写真)

写真のようにレインパンツの内側に登山スパッツを着けることで、雨が靴の内部に進入するのを防ぎます。

富士山でも登山ルートによってはこのような大きな傾斜の場所がいくつかあります。

因みに、レインパンツの膝が立体裁断になっている場合は、このレインパンツの裾が上がり幅が小さくなり、よほどの傾斜でなければ登山スパッツが不要になる場合もあります。

靴の中に小石が入ることを防ぐ

登山中に登山靴の中に砂利が入ってしまうことがありますが、登山スパッツを着用することで防ぐことができます。

私はさまざまな山を登ってきていますが、富士山においてはこの現象は顕著に見られ、重要な内容なので、次の章で詳しく解説します。

 

富士登山における登山スパッツ

富士山には、4つの登山ルート(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)がありますが、吉田ルート、須走ルート、御殿場ルートは上りと下りが途中から下山道として別ルートになります。

その中でも、

  • 須走ルートの七合目からの下山道の砂走り
  • 御殿場ルートの七合目からの下山道の大砂走り
  • 御殿場ルートから宝永火口を抜け、富士宮六合目へ抜ける(通称プリンスルート)

の登山道は、砂利が非常に深く、登山スパッツ無しで下山すると、砂利が何度も登山靴の中に入って、かなり痛い想いをします。

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赤い太線部分が砂利が深い場所。クリックすると拡大します。

なぜ砂利道が下山道なのか

古来より富士山信仰として、多くの登山者・修行者が富士山に登ってきました。

”上りの登山道は、足場がしっかりとして登りやすいルートを選び、下山道は膝への衝撃が非常に緩和される砂利道が使われるようになった”という話を聞いたことがあります。

つまり、下山道が砂利道なのは、体への負担を軽減するための”いにしえの登山者の知恵”です。

実際に深い砂利の下山道を下ると、前に出した足が砂利で下にずれるため、まるで天然のクッションの上をふわふわと降りていく感覚になります。

このような砂利道が下山道となっている山は非常に珍しく、この道を下ることがある意味、富士登山の醍醐味ともいえます。

特に、御殿場ルートの大砂走りは、名前の通り非常に深く、また横幅の広く開放的な砂利の下山道となっていて、天気が良ければ雄大な自然を眺めながらフワフワと降りていくといった、なんとも贅沢な体験ができる貴重な場所です。

須走ルートの七合目からの下山道の砂走り

2011/06/28 須走ルート 砂走りの写真 砂利と大きな石が混在なので転倒注意

須走の下山道はずーーっとこんな感じが続きます。砂利がクッションになり、ダイナミックかつ楽に下山することができます。
ただ、このときにスパッツとダブルストックがないと砂利が靴の中に入ったり、バランス崩して転んだりしてしまうでしょう。あと、それなりに強靭な脚力も必要です。

須走口下山道の砂走りを駆け下りた時の動画です。

ブログ記事はこちら ⇒ http://fujisan.rash.jp/2011/06/2011subashiri7.html

 

御殿場ルートの七合目からの下山道の大砂走り

御殿場ルートの七合目からの下山道の大砂走り

2012/08/24 御殿場ルートの大砂走り

その時に撮影した動画です。好天が続いたため、展望が良く、砂埃が舞います。

御殿場ルートの大砂走りは、最初は大きな石が混じっていますが、次第に小さな砂利の割合が増え下山しやすくなります。

道も広く、展望も良いため、非常におすすめです。

ただ、御殿場ルートは新五合目からの往復だと距離が長く、山小屋数も少ないため登山難易度はどこよりも高いです。

御殿場ルートから宝永火口を抜け、富士宮六合目へ抜ける(通称プリンスルート)

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プリンスルートも、宝永火口周辺の砂利が深いので、登山スパッツ無いと、溶岩の尖った小石が登山靴の中にはいってめっちゃ痛いです。

兄がスパッツなしで下山したら・・・

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こんなんなりました(^_^;)

ハイカットの登山靴にもかかわらずしばらく歩くと、じゃんじゃん小石と砂が入り込んで痛いと言っていました。

私が事前に兄に、このルートは登山スパッツが必要なことを伝え忘れてたのが原因。(ごめんなさい)

その時のブログ記事はこちら ⇒ http://fujisan.rash.jp/2015/07/150711-6.html

まとめ

登山靴は足との密着度が高いため、小さな石が入り込んだだけでも、足の痛みにつながります。

わざわざ下山中に足をとめるのが面倒なのでそのまま痛みを我慢しても、下山中にず~っとその痛みが続くので結局足をとめて靴から小石を取り出すになります。そのたびに足をとめて、靴を脱ぐのはとても面倒ですし仲間を待たせてしまいます。

上記のルートを通過する場合は、自分のためにも仲間のためにも登山スパッツの着用を強く推奨します。

 

 

登山スパッツの選び方

富士登山ガイドのエキスパートの野中径隆さんによる
”登山・トレッキング用のフットスパッツの選び方”の講義

 

登山スパッツを選ぶポイントは

  • 長さ・丈
  • 防水素材
  • ジッパー位置
  • サイズ

です。

長さ・丈

登山スパッツには、ショート丈とミドル丈とロング丈があります。

ショート丈とミドル丈のスパッツを靴に装着した場合、上部がふくらはぎの一番太いところ以下の丈になるためずれ落ちやすく、ロング丈がおすすめです。(私はロング丈使ってますが、富士山の砂走りで走っても小石が入ってきた記憶がありません)

そして歩行中にだんだんと下にずり落ちてきます。できれば、ロング丈のスパッツが用意するのがおすすめですが、費用を抑えるなら短いものでも用意しないよりは断然良いです。

防水素材

スパッツの素材ですが、登山メーカーから販売されている登山スパッツはほとんどが高性能の防水透湿素材であるゴアテックスを使っています。

価格の安いものの中には、防水性はあるが透湿性の無い素材のものもあります。そういうのは長時間使うと蒸れる可能性が高いです。

登山で1回しか使わないなら、そういうものでも良いかもしれませんが、何度も登山で使用する予定ならゴアテックスのものがおすすめです。

私も使ってみてわかったのですが、スパッツは使用年数が長いため、良い物を用意すればずっと使えます。たとえ穴が空いても、補修材が1000円くらいで売っているので、それで修復できます。

ジッパー位置

スパッツのジッパーが前(靴紐側)と後ろ(かかと側)の2種類あります。

登山靴を履いた後に登山スパッツを装着するのですが、経験上、前側の方が着脱がなにかと扱いが楽です。

サイズ

スパッツにはS、M、L、とサイズがあるので自分の靴にあったものを選びましょう。

 

スパッツ(レインスパッツ)の付け方

登山初心者の方の中には、付け方がわからないかたもいるよう(向きを間違えると足引っ掛けて転倒の原因になる)ので、下記動画を参考にしてみてください。

富士登山ガイドのエキスパートの野中径隆さんによる
”登山・トレッキング用のフットスパッツの付け方”の講義

 

おすすめの登山スパッツ

様々なメーカーから登山スパッツ(レインスパッツ・ゲイター)が販売されています。パッと見た感じでは似ていても、よく見るとメーカー独自の工夫が見られます。

富士山では砂走りでの靴内への小石侵入の防止のことだけ考えるならショート丈でも問題ないですが、靴周辺の汚れ予防のことを考えると、ロング丈がおすすめです。

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2012/08/24 御殿場の大砂走りを下山した後の登山スパッツ。 上まで砂まみれ。

 

イスカ ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパ-

 

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イスカ ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパ-

ライトスパッツのフロントジッパーモデルです。着脱しやすい前面のジッパーには防水用のフラップを装備。内側には滑り止め素材を縫い付け、上部はゴムコードにより締め加減を自由に調節できます。
●着脱しやすい前面ジッパータイプの軽量スパッツです。
●上部にはゴアテックス、下部はコーティング加工の210ナイロン使用。
●伸縮性のあるゴムとストッパーにより簡単スピーディーに締め具合の調節も可能。
●ふくらはぎ部分の内側にPVC素材を縫い付けて、スパッツのずり下がりを防ぎます。
●持ち運びに便利な収納袋が付属しています。
●本体の内側に左右表示を付けました。
●歩行途中にて靴紐の締め直しが簡単に出来ます。

平均重量 170g
サイズ フリ-(高さ40cm)
カラ- ブラック・ロイヤルブル-・イエロ-・レッド・ラベンダ-

フロントジッパーで、防水透湿素材として高性能のゴアテックスを使用していますが、性能の割に他社に比べて価格が安く、利用者の評価も高いです。サイズはフリーサイズになります。

以下、amazonカスタマーレビューより。

富士山の須走りルートの下りでの使用(2013年8月3日):タイトルの通り、富士山の須走りルートの下り用に購入しました。商品を初めて見て、あまりの小さい収納状態に驚きました。ここまで小さくなれば、邪魔になりません。取り付けは前側ジッパーのお陰で簡単でした。また、上下をボタンで留められるので、ジッパーの緩みは発生しません。但し、私が購入した物だけなのかもしれませんが、ジッパーの最初に入れる部分がなかなか入りません。引っかかって入らないので、無理やり入れてどうにか入るという感じです。これが無ければ取り付けについては満点です。

また、ゴアテックスですが蒸れはあります。外した時にかなりの水滴が付いてました。
この日はとても天気が良く、動くと適度に汗をかくぐらいの気温でした。必要が無い時には外した方が良いでしょう。

須走りルートで重要な下りでの使用ですが、全く砂や小石が入りませんでした。
もっと値段の高い商品を使っている方もいましたが、私は大丈夫でした。
靴との関係もありますが、購入して損は無いと思います。

富士登山用に購入。砂走対策に。(2015年7月14日):砂走対策に購入。絶対いりますね、これ。あまり天気が良くなかったのですが、ゴアテックスのおかげでしっかり防水してくれました。とてもいい商品です。コストパフォーマンスも高いですね。

Amazonで購入(2015年11月18日):富士山登山に使用しました。砂あまり靴に入ってなかったです。いい商品と思います。

「イスカ ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパ-」の購入者レビューと実売価格(amazon)

 

モンベル ゴアテックス ライトスパッツ ロング

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モンベル ゴアテックス ライトスパッツ ロング

 

コンパクトで装着も容易な軽量スパッツです。積雪期から夏山までさまざまな山行に幅広く使用できるひざ下丈モデルです。スタッフバッグ付き。
【素材】ゴアテックス®ファブリクス・3レイヤー[表:50デニール・ナイロン・リップストップ](エッジガード)210デニール・ナイロン・オックス〈ウレタンコーティング〉
【平均重量】144g(ペア)
【カラー】ブラック(BK)/ コスモス(COMO)/ シャドウ(SHAD)/ サンセットオレンジ(SSOG)/ ウルトラマリン(UMR)
【サイズ】S(22~24cm)、M(24~26cm)、L(26~28cm) ※靴の種類によってサイズが異なることがあります。
【収納サイズ】9.5×3×13.5cm

モンベルのロング丈のゴアテックスの登山スパッツです。ジッパーが後方にあるため、前方でジッパーを締めて180度回転させて着脱させることになります。軽量で評価も高いです。

期待通りでした(2014年7月28日):富士登山は火山礫が多く、特に下り坂では小石が靴の中に入りやすいので、使用しました。暑いくらいの好天の中での登山でしたが、靴内の結露もなく、快適でした。GORE-TEXにして正解でした。

買ってよかった。(2015年1月7日):富士登山で使用しました。登り、下りと常に使用していましたが、砂が入らないのはもちろん、山頂が寒かったので多少の防寒にもなったかなと思います。

「モンベル ゴアテックス ライトスパッツ ロング」の購入者レビューと実売価格(amazon)

(男女兼用モデルです。S(22~24cm)、M(24~26cm)、L(26~28cm) の3サイズ)

 

アウトドアリサーチ クロコダイルゲイター

あと一応私が使っているものもご紹介しておきます。

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OUTDOOR RESEARCH(アウトドアリサーチ)  クロコダイルゲイター(管理人使用)

バックパッカー誌のエディターズチョイス金賞を受賞した名作。ブーツ周りを1,000Dコーデュラ、足周りを70Dタスラン 3レイヤーゴアテックスで構成されたタフなゲイターです。 トップクロージャーは、3/4インチテープとカムバックルでしっかりと止まります。着脱のしやすいフロントファスナー仕様。ウレタンコーティングされたインステップストラップは、交換が可能です。着脱のしやすさ、耐久性、しかもシルエットが美しくすべてがパーフェクトです。実際に使うと、他のメーカー使っている仲間が「それにすればよかった。。。」言ってしまうほど使いやすく快適。ただ、富士登山だけにはあまりにオーバースペックで価格も高いですが、雪山登山もする人ならおすすめです。

 

大手通販サイトの登山スパッツの売れ筋ランキング

大手のネットショップで販売されている登山スパッツのランキングページをまとめてみました。

ネットブランド品では、1000円前後の登山スパッツもあるようですが、ただ単に防水コーティングで透湿性が無く、購入者レビューみると”すぐ壊れた”など、製品の耐久性にばらつきがあるようです。

富士登山1回しか使わないのなら、それでも良いのかもしれませんが、何度も登山で使う予定なら、上記で紹介したような登山メーカー品を準備した方が、満足できる可能性が高いです。

amazon「登山用ゲイター・スパッツ」の人気・売れ筋ランキング

楽天「登山用ゲイター・スパッツ」のレビュー件数ランキング

 

まとめ

  • 須走ルートと御殿場ルート、プリンスルートを下山する人は登山スパッツはほぼ必須
  • ロング丈のスパッツが用意するのがおすすめ
  • ゴアテックスなど防水透湿素材がおすすめ
  • S、M、L、とサイズがあるので自分の靴にあったものを選ぶ
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