チェコ人遭難者と共に下山・救助隊と合流

富士登山

それにしても、美しい景色だ。

 

10:38 野中さんが通報したものの、救助隊が来るまでにビックするほど時間がかかり、ここで待っていると夕暮れになってしまうとのこと。

太陽光と気温の上昇で、雪面もだいぶ緩くなってきたため、下山することとなった。

遭難者に私のハーネスと環つきカラビナを装着し、Sさんのピッケルを持たせ、野中さんがアンザイレンで遭難者を確保しながら下山することになった。

 


DSC00054.jpg

 

 

まず、私が先頭を歩き遭難者の足場を作り、続いてSさんが足場をさらに固くし、遭難者が続いてあるき、最後尾に野中さんがいるという隊列。

 

通常の雪山下山は、フラットフッティングといって雪面の傾斜に対して平行になるようにアイゼンを乗せるのが、この方法だとスニーカーをはいている遭難者が歩きにくいため、私はあえてかかとから雪面を踏み込み、階段ができるようにした。

また、できるだけ小股で歩き、積極的にトレースがありすでに階段状になっているルートを選択した。

 


外国人遭難者と共に下山

 

Sさんが撮影してくれた写真

いつ、遭難者が足を滑らし滑落するかわからない状況での行動なので、常に高い緊張感と集中力が求められた。

あとあと野中さんに聞くと、やはり疲労からか遭難者が足を滑らせて転倒しそうになっていたのをロープで制動したとのこと。

 

 

12:50 新七合目の山小屋で休憩中に救助隊と合流。ここで遭難者を引き渡した。

 


外国人遭難者を山岳救助隊に引き渡す

 

Sさん撮影

九合目から8:40頃に警察に通報してから約4時間。

ここから富士山の九合目で待機していたら、おそらく合流は15時くらいになっていただろう。

その時間から下山となると、天候の悪化や雪面が固くなるなど、我々救助者が下山困難な状況になっていたかもしれない。

野中さんの冷静な状況判断でみな無事に下山できたということだろう。

 

因みに、遭難者は救助隊の方々が持ってきた登山靴に軽アイゼンをつけて下山していきました。

Sさんともここでお別れになりました。

我々も尻セードで楽しく下山しました。

撮影者(登山ガイド野中径隆)

 

14:14 ようやく登山口に到着。

つ、疲れた。。。

非常に高い緊張と体力消耗によりここ最近で感じたことのない、疲労感。。。

全身ぐったりです。。。

 

まあ、何はともあれ遭難者の方も我々も無事に下山できてよかったです。

 

先に下山した外国人遭難者はここで、救助隊の方々にこってりと絞られているようでした。

 

ただ、話はここで終わりませんでした。

 

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